この文型は、①の意味と②の意味のどちらの場合でも、「~(し)ない状態では終わらない」という基本的な意味があり、使う動詞によって、人の強い意志・考え・欲求、または、状態に対する強い気持ちという2種類の意味に分かれる。
①の意味の「必ず~する」について、
人の強い意志や考え、欲求を表す。
使われる動詞は人の行為を表す動詞で、人(相手)に対する「~ではない状態を許さない」「必ず~してやる」という強い意味を表す。
②の意味の「自然に~の状態になる」について、
状態に対する強い気持ちを表す。
使われる動詞は状態・心情を表す動詞や使役動詞で、外的要因から「自然にその状態が発生する」「自然にその気持ちになる」という意味になる。
文語的表現。書くときや、心の中での呟きや心情を表現するとき等に使われる。
例文:
①「必ず~する」
・弱点がわかれば、対戦相手はそこを狙わないではおかないから、しっかり対策しなければ。
・ここまで不自然な点が多いと、彼について更に調べずにはおかないだろう。
・今度また置き配の荷物を盗まれたら、犯人を捕まえないではおかない。
・母が心配しているのにもかかわらず、弟は毎日夜遅くまで遊んで帰宅することをやめなかったので、兄として弟を叱らずにはおかなかった。
②「自然に~の状態になる」
・この曲は人々の心を動かさずにはおかない。
・事故に遭い入院を余儀なくされた園児が卒園できることになり、卒園式では先生方も保護者の方々も涙を流さずにはおかなかった。
・耳の不自由な人がこんなにも素晴らしい演奏をされるとは、感銘を受けずにはおかない。
・現在接近中の大型の台風は、作物に影響を及ぼさずにはおかないだろう。
練習:
・私が万引きをしたことがわかったら、親は私( )ないではおかないだろう。
・( )は見る人の心を打たずにはおかない。
接続:
[Vない]+ずにはおかない/ないではおかない※します→せずにはおかない/しないではおかない
意味:
①必ず~する / ②自然に~の状態になる