この文型は物事が良い結果になって、感謝しているときに使う。

基本的には良い結果のときに使う文型ですが、悪い結果のときに使うこともできます。
ただ、【「おかげ」…「御蔭/御陰」→お陰(陰の存在)→他者からの援助・恩恵】なので、悪い結果のときに「おかげ」を使うと、悪い結果に対して感謝の言葉を使うことになり、「皮肉を含む非難」になります。
もちろん話者の性格などにもよりますが、上記の理由により、「~おかげ」を悪い結果のときに使った場合、「~せい」を使うときよりも、対象への悪意やイライラの度合いが強くなる可能性があります。
・Aさんのせいで負けたよ。←Aを非難
・Aさんのおかげで負けたよ。←Aを非難+皮肉
A おかげで B 。
B は A おかげだ。
A…理由(感謝の対象)
B…良い結果
「AおかげでB。」→「Aが理由でB(=良い結果)だ。」
「BはAおかげだ。」→「B(=良い結果)はAが理由だ。」
★おかげさまで…「周りの人や社会、自然など全ての援助があって」
全てに対して感謝を表す言葉。謙遜する気持ちも表すことができる。
例)A「転職活動はどうですか」B「おかげさまで、先週新しい仕事が決まりました」
A「新商品、好評だそうですね」B「ええ。おかげさまで、売上も伸びています」
A「体調は良くなりましたか」B「はい。おかげさまで(、良くなりました)。ありがとうございます」
例文のように、文頭で使って、状況を加える言い方か、返答の言葉を省略して「おかげさまで」のみの言い方がある。
また、以下のような文は誤りとなる。
(×)家族のおかげさまで、~。
(×)~は晴れたおかげさまだ。
例文:
・私が香港で何年も日本語教師をすることができているのは、とても温かみのある素敵な学生達に出会ったおかげだ。
・遅刻すると思ったが、バスがすぐに来たおかげで約束の時間に間に合った。
・天気が良いおかげで洗濯物がすぐ乾くから、かなり気分が良い。
・昨日のレースで良い結果を出せたのは、雨が降ったおかげもあると思う。
・おしゃれな妹のおかげでファッションに関して助かっているところがある。
・友人が良い病院を教えてくれたおかげで一晩で体調が良くなった。
・円安のおかげで人生で初めて日本へ旅行に行ける外国人もいるらしい。
・私が初めて就職した会社での話なんですが、先輩や上司がよく食事に連れて行ってくださったおかげでいろいろな料理やお酒を知ることができたんです。食事代も、「自分の後輩ができたときに後輩におごってやれ」と言って、私には少額しか出させなくて。当時の先輩や上司には今でも凄く感謝しています。彼らのおかげで毎日残業だった大変な日々も頑張れたと思います。
・予想より早く台風が通過したおかげで午後から出勤になった。【皮肉】
・常識がない親のおかげで子供まで非常識だと判断されることがある。【皮肉】
・あの二人が間違えたおかげでやり直しだよ。【皮肉】
練習:
・( )おかげで生活が楽になった。
・良いホテルに泊まれたのは( )おかげだ。
接続:
[V普通]+おかげ [い形]+おかげ [な形]な+おかげ [名詞]の+おかげ意味:
~が原因(→良い結果になった)