A くせに、 B 。
A…人や人が存在する組織・グループ。また、それらの状態。
B…Aに対する非難・軽蔑・不満の言葉。
この文型は主語が「私」の行為や状態には使わない。
(〇)私はこんなに元気なのに、病気になったなんて信じられない。
(×)私はこんなに元気なくせに、病気になったなんて信じられない。
A:ケーキ作り、終わったんだね!味はどう?
(〇)B:う~ん…あまりおいしくない。頑張って作ったのに…。
(×)B:う~ん…あまりおいしくない。頑張って作ったくせに…。
この文型は、対象の中に人が存在する必要があるので、自然現象や主語が無生物の場合は使えない。
(〇)もう夜9時なのに、まだこんなに明るい。
(×)もう夜9時のくせに、まだこんなに明るい。
この文型は話し言葉で、軽い気持ちで使うこともある。
「~くせして」という言い方もある。「~くせに」と同じ意味だが、「~くせして」のほうがもっと非難の気持ちが強く、相手の目の前で直接使うと、その相手に対してかなり非難や軽蔑が強い印象を与える。
1.「何も協力しないくせに、口出しするな!」
2.「何も協力しないくせして、口出しするな!」←こちらの方が怒りが強い
★「それなのに」+”非難の気持ち”を表す「そのくせ」という言葉(接続詞)がある。
・彼は仕事が忙しくても定時に帰ってしまう。そのくせ同僚の仕事に文句を言うから、もちろん大喧嘩になる。
・彼女は時間に厳しい。そのくせよく遅れてくるから、周囲の人から嫌われている。
「~くせに」と「~のに」、どちらも使える場合があるが、「~くせに」は軽蔑や非難の気持ちを含む文型なので、対象の人との関係性に気を付けて使ったほうがいい。
★「~のに」…意外性を表す ※自分の行為については残念な気持ちを含む時もある
例)Aさんは、走るのは凄く速いのに、球技は苦手なんですね。
→ Aさんに対して、ただその意外性を伝えているだけ
★「~くせに」…意外性+非難・軽蔑・不満
例)Aさんは、走るのは凄く速いくせに、球技は苦手なんですね。
→ Aさんに対して、意外性だけでなく、悪意もあるのが感じられる
例文:
・彼は金持ちのくせに、けちだ。
・Aさん、「もうすぐ着く」って言ったくせに、全然来ない。
・あいつは新人のくせに、生意気だ。
・彼女は自分も絵が下手なくせに、他の人の作品を見て笑っていて、なんだk不愉快な気分になった。
・Bさんは、時間があったくせに、手伝ってくれなかった。
・Cさんは週休二日のくせして、疲れたから早く帰りたいと言っている。私は一週間に一日しか休みがないのに。
練習:
・Dさんは、私が間違っているのを知っていたくせに、( )。
・Eさんは、( )くせに、私にばかり車を出してと言う。
・何も知らないくせに、( )。
接続:
[V普通]+くせに [い形]+くせに [な形]な+くせに [名詞]の+くせに意味:
~のに(非難・軽蔑・不満を含む)