「きっと~だろう」という話者の直感的な強い確信を表す。
話者の直感的な確信なので、思ったことが事実と違うこともあり、話者の思い込み(考えすぎ)になることもある。
★「~に違いない」
直感的な確信。主観的。自分の推測を自分に対して確かめるような独り言や心の中での思慮でよく使われるが、作文や小説等の文章でも使われる。相手がいる会話で使う場合は、「~に違いないと思う/思います」や「~に違いありません」等が使われる。
★「~はずだ」
論理的な確信だが、断定的な面も強い。客観的。一般論を含む。「期待」の気持ちがあり、希望的観測の感覚もある。会話でも文章でも使われる。
(○)初めて彼女を見た瞬間、運命の人に違いないと思った。
(△)初めて彼女を見た瞬間、運命の人のはずだと思った。
※「~はずだ」は期待の気持ちも表すため、ポジティブな内容で使われやすいが、それと同時に論理的で客観的な推測を表現する文型でもあるので、この例文のように、話者が個人的に突然思ったことに対して使うと不自然になる。
(△)彼は弁護士だから頭がいいに違いないのに、計算が苦手らしい。
(○)彼は弁護士だから頭がいいはずなのに、計算が苦手らしい。
※「彼は弁護士だから頭がいい」という希望的観測や、一般論を含めた客観的な推測という面から、直感的な確信とは言いがたく、「~に違いない」を使うと不自然になる。
(○)あの人、電話しながらお辞儀してるから、日本人に違いない。
(○)あの人、電話しながらお辞儀してるから、日本人のはずだ。
※この場合はどちらも使えるが、話者の気持ちが異なる。「~に違いない」を使った場合、話者には「日本人だから嫌だ」や「日本人だから~できる(騙すとか何かを企む)」のようなネガティブな感情がある。一方、「~はずだ」を使った場合は、きっと日本人だろうという嬉しい期待や希望的観測があり、「きっと日本人だ!やったー!」のようなポジティブな感情がある。
<両方使った例文>
「あれ?財布がない!いつもかばんに入れてるし、この中にあるはずなのに。家に忘れてきたに違いない。」
※「あるはず」は、いつもかばんに入れているから絶対にあるいう論理・断定+期待
「忘れてきたに違いない」は、根拠はなく直感的に思ったこと+ネガティブな内容
例文:
・AさんとBさん、何かあったに違いない。この間から全然話していない。
・あの人、電話しながらお辞儀してる。日本人に違いない。
・人生まだまだこれからという時に癌が見つかって亡くなってしまうなんて、無念だったに違いありません。
・今日の様子を見て、Cさんは体調が悪いに違いないと思った。
・彼女がこんなことをするとは考えにくいし、騙されたに違いないと思っている。
・えっ!Dさんが出した案、私の案に物凄く似てるんだけど…。私のノートを見たに違いない。
・あっ、彼、今日もカフェでコーヒー買ってる。お金があるに違いない。
・Eくんは何も言わずに授業を抜け出すような子じゃありませんし、きっと何か大きな理由があったに違いありません。
練習:
・<妻・夫に対して思ったこと>
( )。浮気しているに違いない。
・彼は今日寝坊したに違いない。( )。
接続:
[V普]+に違いない [い形]+に違いない [な形]+に違いない [名詞]+に違いない意味:
きっと~だろう